「JBで路線バスに乗ってみたい!」
かねがね思ってはいたのだが、JBのバス停には時刻表も行き先も表示されておらず、路線図らしきものも見たことがないので、今まで乗りたくても乗る機会がなかったのだ。
ところが、その日は偶然やって来た。
ラインダンスのレッスン日。
普段なら午後のビギナーズ・クラスに参加しているのだが、先生のオススメもあって午前中のアドバンス・クラスに参加することを当日の気分で決め、イソイソとタクシーでレッスン場へ。
さすが、アドバンス・クラス、振り付けも複雑で難しいが、その分できた時の達成感も「手ごたえあり」って感じですごく楽しい。
ほんとは気分しだいで午後のビギナーズ・クラスにも出ようかと思っていたのだが、スピードも内容も結構ハードだったので、半日で帰ることにした。
さて、ちょうどパンもなくなったし、おいしいハムも買いたかったのでペランギ・プラザへ寄っていこうとレッスン場を後にして歩くことしばし。レッスン場からペランギ・プラザまでは約1Km。タクシーに乗るには近すぎて嫌がられそうだしなぁ…と、歩くかタクシーを拾うか迷いながらも長袖の上着を着、日傘をさしてJalan Jalanしていくとバス停に座っている女の子を発見。
♪ そうだ、バスっていう手があるんじゃない?! ♪
♪ 今、待っているということはもうすぐバスがくるってこと?♪
そこで、すかさず聞いてみた。
「ここに時刻表ないけど、バスはもうすぐ来ますか?ペランギ・プラザの前を通りますか?」
「………」
すると彼女はにこにこしながら、とにかく隣に座れとのジェスチャー。
どうやら英語は得意でないらしい。
それでも片言の英語で話をしてみると、彼女インンドネシア人だとのこと。
この近くの家の「アマさん」と思われる。
彼女はこれからシティ・スクエアーへ行き、そこでバスを乗り換えてラーキンまで行くらしい。
よく晴れた日の真昼間12時過ぎ。
南国生まれの彼女でも「暑い、暑い」と言って一応日よけのあるバス停の下で傘を広げる始末。
…だよねぇ。
共通言語を持たない二人は、たどたどしい英語とお互いの国の言葉で勝手にしゃべりながら、どうにか意思の疎通を図り、けっこう楽しく過ごす。
その間にも彼女のあまさん仲間が2人ほど前を通り、彼女と言葉を交わす。
![](https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiBiG4dKQrTjLf6qQGi0xll-ZkqFVjE3e3eHpZJIqGZXyasFvSs8g4SpYftgYiw9ydOvGJn_s23a4v-EcFNFSttpzO5Ibg9iLgpC70YsxZLMhuC_sGTVLZ9SfUz2ylsTLqEu3MtTpDnpW4/s200/DSCF3044.JPG)
うちの一人が買ってきた“ランブータン”を一枝分けてくれた。それを彼女が私にも食べろといってくれる。
南国のバス停でランブータンを食す女二人。この日のランブータンは格別においしい。そしてまた、この「のんびり感」がとても心地よい。どうやら私もせっかちな日本人から、のんびりした南国の人間になってきた模様。
しかし、いくらのんびりした南国の人も30分以上経つとさすがに「バス、バス、バス~!!」と待ちくたびれてきたみたい。私も「バス、早くこないかねぇ」と日本語で答える。
そしてさらに10分ほど過ぎた頃、交差点の向こうにバスの姿が!!
二人して思わず「来た~っ!!」っと顔を見合わせる。
先に彼女が乗り込んで運転手さんに行き先を告げ料金箱へお金を入れる。私もバス停の名前なんか知らないからとりあえず「プラザ・ペランギ」と言ってRM1入れると、レシートのような切符をくれる。先に乗った彼女が席について「ココへ座れ」と合図してくれる。彼女はクーラーのきいた車内に入った途端、上着を脱ぎだした。ここが日本とは違うところ。上着は寒さ対策ではなくあくまでも日よけ対策なのだ。そういえばさっき「ペランギ・プラザは暑くてイヤ。シティ・スクエアは涼しいのよ」と言っていたっけ。私にとってはペランギ・プラザも長時間いると冷えてしまうくらいなのに…。
わずか2区間ほどの乗車だったがとても満足して降りた。降りる前に彼女へお礼を言い、握手をして分かれると、窓から満面の笑みで手を振ってくれた。