JBに引っ越してきた当初、ダンナから「ひったくりが多くて危ないから一人でフラフラ出歩くな」と釘を刺されていた私。
言いつけをよく守り、出かけるときはコンドミニアムまでタクシーをコールしてほとんどDoor to Doorで動いてました。
でも、ちいさな発見ってスピードが速いとできないんですよね。だから日本国内で引っ越した時の新しい街の探検移動手段は、時間と体力と相談して可能な限り“車<自転車<歩き”の順番でした。
それがここJBではしょっぱなから選択肢がなかったんです。今考えればそれはダンナの“さぁーくせん(作戦)”だったんだと思います。そうでもして少し脅しておかないと私の性格からして「尻尾の切れた凧」のようにフラフラと好き勝手に歩きまわりかねないと思ったのかも?! でも、周りの人たちからも身近にひったくりの被害にあっている方の話を聞いて、常に油断せず気をつけるようにするクセがついたことは感謝してます。
そうして1年半ばかり過ごしてきた先週の土曜日。ダンナが会社の旅行でいないというので「ちょっと日本人会まで歩いてみようかな…」と言うと「行ってくれば♪」と、簡単にOK。もはや見放されたと思われるマダム…。さて、写真の青空の割には朝の涼しい風がまだ吹いている午前9時過ぎ、コンドミニアムを出発した私。 モスクの手前を曲がって行きます。
引越し当初、朝の5時半からその屋根に取り付けられた拡声器から聞こえてくるコーランの声に悩まされていましたが、今では子守唄のように遠くに聞こえ、チョッとやソッとでは起きなくなりました。
この通りを入ると右手にちいさなお店があります。
普段車で前を通ると、パンやお菓子を売っているだけで、あってもせいぜいバナナくらいかと思ってましたが、朝方だったからか店先で鶏をさばいていて近所の人が買いに来ていました。よく見るとひととおり地野菜も売っていて、ちょっとした食料品店でした。
パサもそうですが、この国では冷蔵庫を使わない代わりに肉や魚など生鮮品は朝1番に買う習慣が今でも息づいているようです。
ここからは少し上り坂。大きなお屋敷が並んでいます。
このあたりは鬱蒼と樹が生い茂っているせいか、鳥のさえずりが聞こえ、まるで避暑地にでも来て散歩しているようです。自然の力って素晴らしい!!この赤道直下のマレーシアでも木々の作り出す木陰に入るだけでこんなに涼しいなんて!!
だから、開発して広げた道路にも歩道と緑地を作りさえすれば、本来の“人の行きかう道”になるのに…、と思わずにはいられませんでした。 …などと考えながら坂を下ると向こうに見覚えのある“ジョホール水道”(一部埋め立て工事中)が!!
坂道を下りきると左手に日本人会の看板が見えました。でも、目の前の道路は工事中。おまけに車がビュンビュン走っていて、これまでの“避暑地の散策”から一気にホコリっぽい現実の世界へ・・・・・。
到着の感動は思いのほかあまりなく、約30分のプチ冒険を終えたのでした。